教室掃除

州*‘ o‘リ

ここは都会の真ん中らへんの、とある小学校。すぐ隣には中学校もある。
俺はこの小学校も隣の中学校も既に卒業してるけど、近所の友達が通ってるのでたまに遊びに来たりする。
このあたりは子供が少ないので、年上年下関係なく近所の子供が集まって遊んでいる。
広い遊び場所がこの小学校と中学校が使っているグラウンドしかないのと、俺みたいに卒業生が在校生と一緒に帰ることで防犯上も心強いらしく、近所に住んでいる卒業生なら結構簡単に小学校にも中学校にも校舎内に自由に入ることが出来る。
そして今日もこの小学校に遊びに来た…。
  
  
  
「もー!今日はぜーったいにお兄ちゃんにも掃除してもらうからねっ!!」
そう言って怒っている風に見えるのはこのクラスの菅谷梨沙子。この春から6年生になった。梨沙子だけじゃなく、近所の年下の子たちは、俺の事を「お兄ちゃん」と呼んでくれる。
「あたしは半分掃除したんだから、後の半分はお兄ちゃんやっといてね!」
そう言って梨沙子は机の上に座ってしまった。
「別に俺掃除当番じゃないしさ。っていうか、この学校の生徒でもないしさ。」
俺は読みかけているマンガから目線を梨沙子の方に移してしゃべった。教室の床の上にあぐらをかいて座っている俺の目線は、机の上に座っている梨沙子の太もも辺りに釘付けになってしまった。いつの間にこんなに成長したのだろう。
「またそうやって逃げるわけー?ままに言っておしおきしてもらうからねー。」
「また茉麻を出してくる…」
「だったら後の半分、掃除してよね。」
「ったくよー…なんで俺が?」
ちなみに梨沙子が「まま」と言うのは、梨沙子より3つ年上で近所の須藤茉麻。名前が「茉麻」なのと、中2なのに落ち着いて見えるので梨沙子が「まま」というニックネームをつけた。ま、「まま」って言ってるは梨沙子しかいないんだけども。この茉麻が力が強いんだよね…。特に茉麻梨沙子をかわいがっているもんだから、梨沙子のことになると、ハンパない力でやってくることがある。
「へっへ〜。あたしがここで終わるまで見張ってるから、逃げようたってそうはいかないんだからね。」
「わかったよ。やればいいんだろ、やれば。」
抵抗しても仕方がない。さっさと片付けて帰るか。
俺はダルそうに立ち上がると、モップを持って床を掃きはじめる。
「こっちはあたしがやったの。そっち半分やってよ。お兄ちゃんが座ってて掃けなったんだからね!」
その後も梨沙子からさんざん文句を言われながら教室の掃除した。

俺はしゃがんで床のゴミをちりとりで取りながら、梨沙子の方に目線を送った。
梨沙子、お前いつの間に人のマンガ読んでるんだよ!終わったから机戻しとけよ。」
「んぁ?終わったの?」
マンガから目線を上げて俺の事を確認すると、梨沙子はマンガを置いて机の上から降りた。
すると、梨沙子のスカートがひらりとめくれ上がった。スカートの中の、白い何かが見えた…。
「ちょっ!お兄ちゃん見たでしょ!今見えたでしょ!!」
俺はちりとりのゴミをゴミ箱に捨てると、梨沙子の方を向いて
梨沙子のパンツ見ても、何も思わないし。」
そう言った途端
「なんだとー!」
いきなり梨沙子が俺の事を追いかけはじめた。
狭い教室の中で走り回る俺と梨沙子。すると梨沙子は俺の方に向きなおすように立ち止まった。勢いがついていた俺は突然立ち止まった梨沙子に抱きつくような感じで止まった。
「ちょちょちょ…」
俺は梨沙子から離れようと回してしまった手を外そうとすると、梨沙子が俺の身体に手を回してきた。
「お兄ちゃん…、ホントにあたしのスカートの中見て、何にも思わなかったの?」
梨沙子は上目遣いで俺に聞いてきた。その瞳は少し潤んでいる。確かにさっき梨沙子の太ももを見たときから、少し違う雰囲気になっていたことは否定できない。それに今は、梨沙子が俺に抱きついてきている。少し柔らかい感触を、俺は感じている。
「お兄ちゃん…あたし、お兄ちゃんの事、好きだよ?」
「俺も梨沙子の事、好きだよ。」
「あたしは…お兄ちゃんとしてだけじゃなくて…」
そう言って梨沙子は瞳を閉じた。
  
  
  
  
  
二人がいる教室の前の廊下で、
「お兄ちゃんが好きなの、梨沙子だけじゃないんだけどな…」
そうつぶやきながら、立ちすくむ女の子がひとりいた…。